大学受験英語

英語は受験科目の中で、最も大量の時間を費やさなければならない科目です。他科目よりも習熟が非常に難しく、学力向上に忍耐が必要です。時間の限られている大学受験においては、どれだけ早く英語を完成させるかが重要なファクターになります。しかし、英語は一度身に付いてしまえば、学力維持にはさほど労力はかかりません。つまり味方にさえしてしまえば、受験という選抜試験のなかで非常に強力な武器になります。

勉強方法

大学受験の英語に必要な能力は大きく分けて「語意力」「文法」「読解」の3つに分けられます。
これらをバランスよく必要量こなせば、長文の設問は必ず解けます。
長文が解けないと悩む学生のほとんどは「文法力不足により文章の構造が掴めず、語意不足により単語の意味が分からず、読解力不足により内容を捉えられず、結果長文が解けない」だけです。以下で3つの柱の勉強方法を説明していきます。

語意力

語意力は最も基礎的な分野ですが非常に重要な学力です。語意力を伸ばすことから学力向上が始まり、受験英語完成間近でも最後に獲得点数をあげるのは語彙力です。
語彙力とは「単語」と「熟語」の知識力で構成されます。
勉強方はいたってシンプルです。ここに至ってはアドバイスはありません。単語帳と熟語帳を何周も繰り返す。
この単純なことが出来ない学生が多い。逆に言えば、これさえこなせば英語学力の基礎は出来たことになります。必ずやって下さい。ただし、これに机に座って何時間も単語を覚えるような非効率的な方法は控えて下さい。インプットは集中力が勝負です。単語暗記のような無機質的なものは、精々30分弱しか集中できません。それ以上は集中しているのではなく脳が休んでいるだけです。お勧めは10分の暗記を一日に何回も繰り返すことです。休憩前の10分、電車を待つ少しの時間、食事前、食事後など細かい時間を一日に何度もとります。そして夜に、その日覚えた単語をもう一度時間をかけて確認する。ここには少し多めに時間をとってもいいでしょう。さらに朝起きたらすぐに前日覚えた単語をもう一度全て確認する。さらにさらに週末に、その週に覚えた単語を総復習する。単語帳が1周終わったらもう一度始めから1周する。これを繰り返せば大きな苦痛なく語彙力という最初の難関を乗り越えられるでしょう。
語彙力には単語帳、熟語帳が必須ですので以下のものを推奨します。
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単語王
単語帳で悩んでいるならこれを使用して下さい。本当に丁寧に作られた単語帳です。情報量が他とは群を抜いて多いです。各単語につき5、6個の意味を載せているので、単語の直訳だけではなく単語自体が本来意味する雰囲気なども覚えられるので読解でも効果を発揮します。またUnitが単語30個ごとに分けられているので、本サイトで推奨する暗記法にも適しています。ただし、1周で全て暗記しようとすると情報量の多さに気が滅入るので、1周目は各単語につき1、2個の意味の暗記でよいでしょう。2周目、3周目で少しずつ完成させていきましょう。
ターゲット1900
中堅校を志望する学生、もしくは受験までに時間がない方はこちらを使用してください。基本的には1語1義で必要な単語は網羅しています。しかし複雑な構文を精読するには情報量が不足しているので注意してください。自分なりに気づいたことがあればどんどん単語帳に書き込んで情報量を増やしていきましょう。紙質は非常によく、カバーをはがすとハードカバーになっているので、書籍自体は丁寧に作られています。
速読英単語
本書の他の単語帳との最大の違いは、長文中で単語を覚えていく構成であることです。英文中で覚えられるので単語を文章と関連づけて覚えやすく、また多量の英文に触れることになるので「英語に慣れる」こともできます。英文中で単語を覚える有用性は例を挙げればきりがありません。
しかし、この単語帳の欠点は莫大な時間がかかることです。単語暗記以上の知識を身につけることができますが時間が限られている受験生にとってあまりに時間の消費が激しいを思います。ただ、他の単語帳とは一線を画す構成なので、無機質に覚えることが苦手な方はこちらを用いて下さい。

文法

この分野は理解と知識が半々です。理解のために文法書を1冊こなして下さい。
書籍は以下のものを使用して下さい。

次に文法問題集にとりかかり、演習を行います。知識ではなく理解ができないところがあれば、その都度文法書を参照して下さい。

英文法・語法のトレーニング1
Z会から出版されている標準英文法問題集。志望校に関わらずやっておくべき一冊。受験に必要な英文法知識が丁寧に選別され、効果的に学習できるよう配慮されています。単元ごとにコンテンツが分けられているため体系的に学習することができ、学習計画も立てやすです。ページ上部に問題、下部に解答というシンプルなページ構成で視認性も高く、説明内容も適切な量ですので万人向けの参考書です。問題数も必要な分のみとなっているので、一周にそれほど時間は掛からないでしょう。その分何週も繰り返してください。逆にいえば、この本に載っている知識は完璧に身についていなければ成績は上がりません。無駄な失点を防ぐためにも、この本は熟読してください。成績をあげるために大切なことは簡単な失点をなくすことが重要です。
英語頻出問題集
上記の問題集と同じく、質・量ともに最適な参考書です。問題と解説が別冊になっているので、こちらのほうが学習しやすい方はこちらをこなしてください。この本だけでも文法問題集は十分です。
Next Stage
上記二冊よりレベルを少し落とした本です。ただし、その分解説が充実していて基礎の基礎から説明してくれているので、予備知識ゼロでも問題なくこなせるでしょう。

     

読解力

読解力とは英文解釈力のことです
それには問題演習する際の質が求められます。問題演習時は辞書・文法書を十分に活用し、必ず自分なりの日本語訳を紙に書いて下さい。その後、解説を熟読し英語の文章構造と訳し方を身につけて下さい。使用する参考書は以下のものを用いて下さい

英文解釈教室
英文解釈の聖書。質・量ともに最高クラスの演習書です。文章選出、解説、インデックス、全体構成から細部にわたりとても丁寧に作られています。ボリュームはありますが、看破すれば以前とは比較にならないほど英文が読めるようになります。特に成績が伸び悩んでいる時期に取り組めば効果は絶大です。逆に学習はじめに手をつけてしまうとやられてしまうでしょう。本気で英語を武器にしたい学生は是非とりくんでほしい最良書ですが、時間がかかることは覚悟して下さい。演習する際は十分に時間を確保してください。英文を精読し講読を正確に読むよう細心の注意を払い、訳には精査に精査を重ね常に自分が出せる最良の訳をはじきだしてから解説を読んでください。また、この本は大学受験英文解釈に必要な知識が網羅されていますが、第1章から順に解くことを想定され構成されているので素直に順番に取り組みましょう。
ポレポレ
こちらも英文解釈類参考書の中で最も有名なもののひとつです。著者は代ゼミの実力講師の西きょうじです。緻密な論理展開でどなたでも理解できる解説、模範解答到達までの最適な思考チャート、解釈範囲において必要十分な量を用意しています。問題数も50問と厳選されているので計画も立てやすいと思います。1問に解法のTipsが多数含まれているので、問題数以上の成果が実感できるでしょう。
精読のプラチカ
河合塾英語科が、英文解釈専用の問題集として出版したものです。大手予備校の一つである河合塾の精鋭達が執筆したこともあり、内容は非常に良い出来となっています。こちらはテーマが明確化されているので、強化したいテーマからやるなど進め方も自由度が与えられています。勿論1ページ目から解いていっても問題ありません。標準問題が主になっていますが、英文解釈初習者でも無理なく取り組めるようになっています。また、高いレベルを求める学生にも必要な知識は網羅されているので紙面構成、解説などが合えばこの1冊でも十分に戦えます。

 

過去問

語彙、文法、読解を固めたら、受験校の過去問に着手します。時期的には11月までにはほぼ完成していることが望ましいです。
また、リスニング問題、アクセント問題などが必要な場合は赤本などを参考にして対策して下さい。

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