大学受験数学

数学は標準レベルまでなら容易に成績は向上します。問題の解法を理解し覚え、計算さえできてしまえば標準問題は解けるようになります。もちろん成績低下も加速度的に進みますので日々一定量、演習をこなす必要があります。
全範囲習熟することは勿論大事ですが、特に微積分・確率・数列・ベクトルは重点的に勉強して下さい。文系、理系問わずここを落とすと、偏差値は上がりません。
以下に分野ごとの勉強法を示しますが整数問題は守備分野がないため受験で差がつきやすい分野ですので、数学を勝負科目にする学生は「大学への数学1」の整数問題の分野を押さえておいてください。
理系ならばやはり数学は勝負科目にしたいところですが、他の受験生も理系なので標準偏差も当然高いです。よって普通に得点しても差がつけられず、またここで失点すると途端に不利になります。最低6割5分、目標7割5分、数学で勝負をかけるなら8割越えを目標にしましょう。

勉強方法

Input→Logic→Outputを常に意識していて下さい。数学は最適な習得方法を身につけてしまえばどの分野にも適用できます。習得方法は同じことの繰り返しなので他科目より比較的取り組みやすいでしょう。まず新規の標準問題に直面したら問題の解法を理解、暗記しましょう。計算力に不安があるようでしたら、教科書傍用問題集などで補強しておいて下さい。数学で使用する参考書は1A・2B・3Cを通して同じ種類のものを使用して、標準問題を完答できるようにしてください。その後に、弱点分野補強、過去問、上記の重点学習必要分野を他の種類の参考書で補完するのがよいでしょう。
勉強時間ですが、理系科目は脳の関係で午前中にしたほうが良いとされています。午後ではダメというわけではないので気にしなくてもいいですが、一日の科目のこなす打順を組む際は参考にしてみて下さい。

標準問題集

大学への数学 1:1対応の演習
名著中の名著。大学受験数学と義務教育で教える教科書解法との差を明確にしています。解法は数学的に美しくシンプルで応用性が高いものが多いですが、その中でも奇抜な解法は採用せず自然な発想ながらもテクニカルな解法を紹介しています。はじめは教科書との違いに困惑すると思いますが、大学受験数学という土俵で最高のパフォーマンスを発揮する解法です。

また別解も非常に豊富です。この別解ですが、基本的にはすべて身につけて下さい。これには二つ理由があります。一つは、一通りの解法しか知らないとその解法が通じなかった場合、または使い方を誤った場合その問題に対応できなくなります。予備解法のストックは得点アップに直接つながると考えて下さい。二つめは、複数の解法で問題にアプローチすることにより問題の本質であったり出題者の意図が見えてくるからです。以上の理由より複数の解法を身につけることはかかる時間以上に有益なものでありコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。



青チャート
数学参考書の中で最も使用されている参考書です。内容も基本から応用まで網羅されています。問題の解法はごく一般的なものを採用していて、教科書寄りの解き方が多いです。紙面構成は1ページに1項目で取り組みやすく、学習計画も立てやすでしょう。問題量も十分すぎるほどありますので、しっかり計画を立ててこなせば、この一冊で十分でしょう。
レベルにより白・黄・青・赤がありますが、青が問題の質、解説、量、すべてにおいてバランスが良いでしょう。志望校に関わらず青を推奨します。
しかし、この問題集に取り組む際、いくつか注意しなければならない点があります。
まず、量が非常に多いです。緻密な計画とタフな精神力がなければ、この良書を使いこなすことはできません。後者の精神論は学習者本人に任せるとして、ここでは計画の立て方をアドバイスします。まず莫大な問題量を擁する問題集に取り組む際、以下にあげる二つのことを留意してください。一つは無理な計画を立てないこと。やりはじめはモチベーションも高く、強気な計画を立てがちですが、最初は無理のない計画を立てて下さい。また、初期のうちに最後までの計画を細かく立て過ぎず、おおまかにいつまでに一冊終わらせるかを計算してから長短期的な計画を立て、自分がどれぐらいのペースで消化できるのかを計って下さい。そこから中期的な計画を立て、ペースがつかめてきたら長期的な計画を立てます。このように段階を踏んで計画を立てましょう。
二つ目は、一周にとても時間がかかるのは仕方がないとしても、二週目にどれだけ時間を短縮できるかが重要です。そのために、一週目の時点で解き終わった問題を再度解く際にどのように取り組むかを問題の上にでも記入しておきましょう。完全に理解できた、不安、わからなかったなど自分なりにどのような分類でもいいのでしておきましょう。ここで重要なことは、これを二週目に解く際の指標となることを意識しておきましょう。また、各問題はレベルが明記されているので、そこから再度解く問題を判断してもいいでしょう。
最後に、この本は問題集ではなく参考書として利用することをお勧めします。他の問題集を解いていてよく理解できなかったところ、不安が残ったところを、該当部分を青チャートで探し解いてみる。これにより他の問題集を解く際の問題数不足が解消されます。チャートがどうしても気に入った方や、この本を最後までやりとおせる覚悟がある方以外は、こちらの使い方が良いでしょう。

理系数学の良問プラチカ 河合塾の数学科により作られた標準問題集の名に相応しい参考書です。問題数、問題の質ともに標準問題集が満たすべき条件は完璧に備えています。解説もとても丁寧で標準的な物のみを採用していて、解法のポイントや考え方も記載されているので、ただ問題が解けるという以上の成果があるでしょう。
ただし、あまりに標準問題集としての完成度が高いため標準レベル以上には到達できないでしょう。この本を完成させればコンスタントに7割強は十分に得点できるでしょうが、8割、9割を狙いにいく学生は難しいでしょう。そのような方は、この本のあとに1:1対応の新演習などで微積分、確率範囲だけでもやったほうが安全です。

 

完成

受験が近くなってきたら、過去問より受験校の頻出分野や設問方式を確認しましょう。できなかった問題は必ず受験日までに解けるようにしてください。できなかった問題の単元や類似問題を、自分がやってきた問題集で確認するといいでしょう。また、模試で出来なかった問題も同様に必ず再度復習しておいて下さい。

inserted by FC2 system